ガス絶縁開閉装置 GIS装置品質保証

【1. 部品・材料の受け入れ検査】
納入された部品や材料が、図面や仕様書の要求事項を満足しているかを確認します。
寸法検査: 部品の寸法が図面通りか、測定器を用いて確認します。
外観検査: 傷、汚れ、変形などがないかを目視で確認します。
材料試験: 材料の成分や機械的強度が規定を満たしているか、試験を行います。
非破壊検査: 溶接部などに内部欠陥がないか、放射線透過試験（RT）や超音波探傷試験（UT）などで確認します。
【2. 製造工程内の品質管理（工程内検査）】
製造の各工程で、作業が標準通りに行われ、製品の品質が確保されているかをチェックします。
組立検査: 部品の組み付け状態や、締め付けトルクなどが適切かを確認します。
溶接検査: 溶接部の外観や寸法、内部品質を確認します。
清浄度管理: GIS内部の絶縁性能を確保するため、部品の清浄度を厳しく管理します。異物がないか、
クリーンルーム内での作業が適切に行われているかなどを監視します。
ガス管理: 絶縁媒体であるSF6（六フッ化硫黄）ガスの純度や水分量を管理します。

【3. 製品の最終試験・検査】
完成した製品が、設計通りの性能・機能を有しているかを確認するための最終的な試験です。
耐電圧試験: 規定の電圧を印加し、絶縁性能に問題がないかを確認します。部分放電測定なども含みます。
主回路抵抗測定: 主回路の導通抵抗を測定し、接続部に異常がないかを確認します。
動作試験: 開閉器や断路器などが、規定の速度やシーケンスで正しく動作するかを確認します。
気密試験: SF6ガスを封入する容器に漏れがないか、リークディテクタなどを用いて確認します。
構造・外観検査: 最終的な製品の寸法や塗装状態、表示などを確認します。

【4. 品質マネジメントシステムの運用・改善】
製品の品質を組織的かつ継続的に向上させるための活動です。
品質記録の作成・管理: 検査や試験の結果を記録し、トレーサビリティを確保します。
不適合品管理: 品質基準を満たさない製品が発生した場合の原因究明、是正処置、再発防止策を実施します。
是正・予防処置: 製品の不具合や顧客からのクレームに対して原因を分析し、再発防止策を立案・実行します。
また、将来起こりうる問題を予測し、未然に防ぐ活動も行います。
内部品質監査: 社内の品質管理体制が適切に機能しているかを定期的にチェックします。
サプライヤー管理: 部品や材料を供給する取引先の品質管理体制を評価・指導します。

【5. 顧客対応・現地対応】
顧客とのやり取りや、製品納入後のサポートも重要な業務です。
顧客立会検査: 顧客が工場を訪れて行う検査に対応し、製品の品質を説明・証明します。
出荷前検査: 出荷前の最終確認を行い、輸送中の損傷を防ぐための梱包状態などをチェックします。
現地据付・試験のサポート: 現地での据付工事や試験が正しく行われるように、品質管理の観点から指導や支援を行います。